今回は器を繕う際の「仕上げ」についてです。
純金で仕上げるだけが金継ぎじゃない。
金で仕上げるのが本来の金継ぎではありますが、金のほかにも銀、銅、アルミ、プラチナ、真鍮、錫など。
さまざまな素材で仕上げることができます。
「金」で仕上げたもののみを金継ぎと謳うべき。という意見もありますが、「割れた器を修復してまた使えるようにする技法=金継ぎ」として、世の中に広まってくれたらいいなとも、私個人的には思っております。
なぜなら、金の価格は今現在まさに目玉が飛び出る金額です。
私が金継ぎを始めた2019年時点で、金丸粉(金継ぎに使う金)が1g9800円程度であったと記憶しております。その当時は「え?高すぎる。手が出ない・・・」と思い、なかなか金を使うことができませんでしたが、今現在。2025年での同じ金丸粉の価格は280000円ほど。およそ3倍です。いよいよ手がでませんね・・・
あのとき、9800円の時代にたくさん買っておけばよかったな。
そんな高価な金。
しかも、技術力が足りないと、途中で失敗して金をなくなく削って廃棄する羽目にもなります。
仕上げの種類と特徴
金丸粉

- 一番耐久性がある
- 経年劣化しない
- 輝きがすごい
- 一番高価
金消粉

- 丸粉より耐久性は劣る
- 経年劣化しない
- ギラギラとした輝きというより、やわらかい輝き
- 金丸粉よりも少しだけリーズナブル
銀丸粉

- 青や黒などの渋めの器に合う
- 経年劣化が少ない
- 金よりもリーズナブル
真鍮粉

- ぱっと見の輝きは金にも劣らないかも
- なんといってもリーズナブル。金の数十分の一くらいでは?
- 普段使いの器に最適
- 作業もしやすい
錫

- こちらもかなりリーズナブル
- 磨くと銀にも劣らない輝きを放つ
- 普段使いの器に最適
- 作業もしやすい
漆
- トゥルンとした飴のような艶がなんとも美しい
- 真鍮や錫同様にリーズナブル
- 電子レンジが使える(本来は使わない方がいいです)
- 普段使いの割れたお皿に最適
- さまざまな色(弁柄、黒、飴色、白、赤、絵の具のようにカラフルな色)がある
適材適所
とっても大切な器で、後世に残したい器であれば、経年劣化しない金一択ではあると思いますが、例えば普段使いのマグカップの縁のかけ。毎朝電子レンジでチンして使うようなカップであれば、私は迷わず漆仕上げを選びます。
電子レンジも食洗機もガンガン使って、また壊れたら繕う。
何度も繕うと、元の傷よりも大きく拡大してしまったりもしますが、私は日々の便利さを普段使いの器には優先するタイプです。
加えて、どれでも金で煌びやかに繕うことが正とはかぎりません。
素朴な器には、生漆だけで仕上げた方が似合うこともありますし、カラフルな食器だと金よりも色漆の方が似合ったりもします。
それを修復した後の、また器として使っている生活を想像しながら、最適な仕上げを考えたりするのもまた金継ぎの楽しみの一つですね。
モダン金継ぎ

金継ぎつくろふが、普段使いの食器の修復におすすめしているのが、モダン金継ぎ。
すぐ仕上がって、食品が触れる箇所に使用しても大丈夫な素材で仕上げます。
ガラスなどの修復は、かえってこのモダン金継ぎの方が美しく仕上がるのでは?とさえ最近思うほどです。

修復のご依頼も、こちらのモダン金継ぎでしたら、料金・納期ともにかなりスリム化できますのでご興味ある方はぜひお問合せください。
教室でも1日で仕上がる講座として随時開催しております。
